月に一度、わが家に富山の懐石料理人  中尾英力先生をお招きしての「懐石秘密箱」

今月のテーマは「明治から昭和」です

 

 
先月から続いて、先人の心に触れる懐石です
 
長く続いた江戸から、新しい時代の幕開けとなったこの時代
 
明治維新、開国となり日本文化が消えゆく危機的状況でした
だからこそ深く見直され、研磨され、今日にもつながる茶の湯が確立されました
 
特に裏千家 玄々斎宗室は、幕末から明治の動乱期に千家の長老として禁中への献茶を図り,1872年(明治5)には『茶道の源意』を著しました
 
茶道が遊芸ではない事を示し、政府に提出し、茶道界に大きく貢献
 
さらに玄々斎は、幕末から明治の変動期に逸早く外国人を迎える為の「立礼式」や「茶箱点」もこの時代に誕生し、新しい時世に即応した裏千家の基礎を固めました
 
そんな時代のことを想いながら、懐石をいただきます
 

 
膳が出され、飯椀と汁椀をそれぞれに取り重ねます
「飯からいただく」か「汁からいただく」か
 

 

箸を取り、片手で汁椀を取り、まずは一口

いかにも男性的です

お酒はいきなりは出ないため、汁を吸切ると向付もいただいて良いようです
 

 

煮物椀は味のつけていない出汁に卵豆腐に梅干など

(梅干の塩味と酸味でさわやかにいただきます)

 

 
焼物も飯次も出てきます
 

 
八寸はホオズキにエビ
 
大まかな流れは一緒ですが、最後の湯桶で器を片付ける時に、向付にも湯を注ぎ、汁椀のお湯と一緒に飯椀に移していただくという違いがありました
 

 

学ぶほどに奥深い懐石の世界
来月は「一汁五菜(草の格)」です