第53回 オンライン茶の湯研究会「漆にきく茶の湯」

 

茶道具には棗や菓子盆、懐石道具はじめ、漆と共に歩んできた歴史があります。

 

この度は、安土桃山時代から一子相伝で継承する「城端蒔絵(じょうはなまきえ)」の十六代目「小原治五右衛門(おはらじごえもん)」氏をお招きして、知られざる漆の世界をじっくりとうかがいます。

 

小原氏は、国内外での展覧会活動や、曳山・庵屋台などの文化財保存修復に従事し、またTEDxをはじめ、日本・米国・香港での講演やプレゼンテーションにも登壇される実績をもちます。

 

<小原氏からのメッセージ>
城端蒔絵は白色をはじめとする各種の色彩を表すことを特色とし、花鳥文様などを生態そのままの色調・ぼかしで表現できる小原家独自の技法です。

 

蒔絵とは本来、漆で文様を描き、その漆が固まらないうちに金や銀の粉を蒔き付け文様を表す技法ですが、加賀藩では加賀蒔絵保護のため藩外での金銀の使用を禁じました。城端蒔絵は、それに対して白をはじめとする各種の色彩を自由に駆使し、一般の蒔絵とは趣を異にする独特の様式を案出したのです。

 

小原家では、この技法を安土桃山時代・天正3年(1575)より一子相伝で伝えており、代々「小原治五右衛門」の名を襲名しております。

 

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